クラウドファンディングの難病に関するプロジェクト事例6つ
2025年01月05日

今回は、クラウドファンディングの難病に関するプロジェクト事例6つを紹介します。難病など病気に関するクラウドファンディングをするときの注意点も解説するので、ご参考にしてみてください。
クラウドファンディングには「医療・介護」のジャンルがある
クラウドファンディングには「医療・介護」のジャンルがあり、病院や病気を抱える個人、社会貢献活動に取り組んでいるNPO法人などが、プロジェクトを立ち上げています。難病に関するプロジェクトでは、治療費の支援だけでなく、当事者の活動支援や難病を早期発見するための研究開発支援などもあります。
難病に関するクラウドファンディングの目的は、資金調達だけではありません。クラウドファンディングを通じて難病を知ってもらい、多くの人に理解してもらうための取り組みでもあります。当事者だけではなく、難病の家族や友人を支援するプロジェクトも多く見受けられます。
クラウドファンディングの難病に関するプロジェクト事例6つ
難病に関するクラウドファンディングでは、難病を抱える友人を支援したり、当事者の活動サポートを募ったりするプロジェクトが多く見受けられました。特定の難病の早期発見や最新治療を進めるために、医療や介護施設が起案しているプロジェクトもあります。
クラウドファンディングの難病に関するプロジェクト事例6つを紹介します。
難病の父ちゃんから我が子へ 淡路島で希望の花火を打ち上げたい!
筋ジストロフィーの難病を抱える父親の男性が、小学生の息子とダウン症の娘に打ち上げ花火を見せてあげたいという想いから誕生したプロジェクトです。淡路島の海で花火を打ち上げ、100年後も続く花火大会にしていくことを目指しました。プロジェクトは成功し、約150万円の資金調達を達成しました。
参照:https://for-good.net/project/1000856
こちらのプロジェクトの良かった点は、家族のためのプロジェクトであったことです。地域貢献型プロジェクトであったことも、大きな成果につながったのではないでしょうか。改善が見込める点は、アイキャッチ画像をもう少し工夫し、説明文を充実させることです。
進行性難病の友を連れてパッチ・アダムスに逢いに行く-本当の笑顔になれる旅-
進行性難病を抱える友人をもつ男性が立ち上げた、難病の友人のためのプロジェクトです。難病の友人を、患者のための医療を探求し続けるパッチアダムスという人物に会いに行けるよう、支援を募りました。
医療・教育現場に”本物の医療”を伝えるため、パッチアダムス来日の交渉もプロジェクト内容に含まれています。プロジェクトは成功し、約78万円の資金調達を達成しました。
参照:https://for-good.net/project/1000592
こちらのプロジェクトの良かった点は、友人のためだけではなく、同じ難病と闘う人たちを救う内容であったことです。支援金額は1,000円からで、誰でも手軽に支援しやすいリターン設計となっていました。改善が見込める点は、プロジェクト内容について、もう少し具体性をもたせることです。
ドキュメンタリー作品を通して、難病を抱えるJuriさんの楽曲を多くの人に届けたい
指定難病を抱えた女性が楽曲制作とライブデビューできるよう、映像制作会社が立ち上げたプロジェクトです。難病を抱えて壮絶な人生を送ってきた女性が歌に込める想いを広めたいという目的で、リターンには上映会やトークセッションの場を設けました。プロジェクトは成功し、約120万円の資金調達を達成しました。
参照:https://for-good.net/project/1001093
こちらのプロジェクトの良かった点は、医療クラウドファンディングでありながら、ご本人のアーティスト活動支援でもあったことです。プロジェクト内容が明確で、支援者にとってメリットのあるリターン設計となっていました。改善が見込める点は、説明文の中に写真だけではなく、図なども用いることです。
アトピー性皮膚炎|痒みの仕組みの解明と、治療薬の開発研究にご支援を
アトピー性皮膚炎という難病の痒みの仕組みの解明と、治療薬の開発研究の支援を募るプロジェクトです。研究に必要な人件費、消耗品代、管理運営経費などを募りました。プロジェクトは成功し、約2,100万円の資金調達を達成しました。
参照:https://readyfor.jp/projects/atopicdermatitis2023
こちらのプロジェクトの良かった点は、多くの人が悩んでいるアトピー性皮膚炎という難病の、根本的改善につながる内容であったことです。大規模なプロジェクトでしたが、用意周到で多くの人からの支援が集まりました。改善が見込める点は、SNSを最大限活用し、より大規模な拡散を試みることです。
若年性認知症の克服に向けた研究を推進し、治療や早期診断へつなげたい
若年性認知症という難病の克服に向けた研究を推進し、治療や早期診断へつなげるための支援を募るプロジェクトです。プロジェクトページでは難病の詳しい説明を記載し、資金の使い道の内訳も細かく開示しました。プロジェクトは成功し、約1,000万円の資金調達を達成しました。
参照:https://readyfor.jp/projects/keio-memory-center
こちらのプロジェクトの良かった点は、難病に関する説明が詳しく記載されており、海外と比較しての日本の実情などもわかりやすく明記されていたことです。支援金額は1口最大100万円で、リターンに幅をもたせていたのも成果につながったと思います。改善が見込める点は、説明文をもう少し理解しやすいように、簡潔に工夫することです。
出かける楽しみをあきらめない!ゆめバスでALS患者さんの夢を応援
ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病の患者に、無償でバスを貸し出すための支援を募るプロジェクトです。移動が困難な難病の患者が行きたいときに行きたい場所へ行けるように、救急車を改造した快適なバスの運用を目指しました。プロジェクトは成功し、約540万円の資金調達を達成しました。
参照:https://readyfor.jp/projects/p-als2024
こちらのプロジェクトの良かった点は、 アイキャッチ画像にイラストを使用し、独自性の高いあたたかみのあるデザインに仕上げていたことです。説明文では患者さまの実際の声も記載するなど、共感性の高い内容となっていました。改善が見込める点は、起案者の想いを文章や写真だけでなく、動画も活用して伝えることです。
難病など病気に関するクラウドファンディングをするときの注意点
難病など病気に関するクラウドファンディングをするときの注意点は、情報の透明性を大切にすることです。倫理的な側面に配慮し、法的問題に対処することも大切です。難病など病気に関するクラウドファンディングをするときの注意点を詳しく解説します。
情報の透明性を大切にする
難病の病気特性や治療方法などは、まだあまり世間に知られていない可能性があります。世の中に知られていないからこそ、難病に関するクラウドファンディングを起案するときは、情報の透明性を大切にすることが大切です。まずは、難病について理解してもらえるよう丁寧に説明し、どのような理由でどれくらいの支援が必要なのか、明確に伝えましょう。
倫理的な側面に配慮する
難病に関するプロジェクトを立ち上げるときは、当事者の個人情報やプライバシーの保護、治療費の扱い方など、倫理的な側面に配慮することが重要になります。特に、治療費の支援を募る場合は、炎上しないように資金額の理由や使い途などの明示を徹底しましょう。さまざまな倫理観や価値観を持っている人がいることを理解し、情報発信をするときは多方面に配慮することが大切です。
法的問題に対処する
クラウドファンディングの内容によっては、プラットフォームの規約や法律に違反する可能性があります。規約や法律に違反してしまうと、プロジェクトが中止になるだけでなく、法的なペナルティを課されるリスクがあるため要注意です。規約や法律に違反していないか不安がある場合は、専門家に相談し判断してもらうようにしましょう。
難病支援はクラウドファンディングで募ることができる(まとめ)
クラウドファンディングは資金調達方法のひとつですが、難病支援を募ることもできます。難病支援というと治療費を募るイメージがあるかもしれませんが、支援の方法はそれだけではありません。
実際、国内では難病の人の活動支援や特定の難病を早期発見するための研究開発支援などに関するプロジェクトが多く見受けられます。難病に関するクラウドファンディングを立ち上げるときは、病気について詳しく解説し、支援者に信頼してもらえるよう透明性を大切にすることが重要になります。
難病支援の成功事例は多くあるため、注意点に留意しながら、多くの人からのサポートを受けられるよう取り組みを検討してみてくださいね。
クラウドファンディングのプロジェクトを成功に導くサポートをしております!